昨日の友は今日の敵。十代の若者が首級を挙げて得意顔で闊歩する。和議を結べなかったが故に、ただ運命に従い殺し合う。不文律に従う場面といい、戦にまつわる描写が秀逸。生き馬の目を抜く時代、外連味のない茂兵衛が立志伝中できるか。