表題作「嘘と正典」は申し分なかったが、他の作品はあっという間に終わってしまった。肉親のルーツを探す旅路は、淡々と進行して主人公の気持ちに寄り添えず。何に感じ入ったのか、突然涙を零されても戸惑うばかり。表題作が長編だったら言うことはなかった。